2015年2月27日金曜日

シンガポールからのニュース



すでにニュースリリースでご覧になったかもしれませんが、シンガポールで新たな進展が多数ありました。私はこれまでシンガポールは重要な市場だと考えてきました。この賑やかな大都市における設計者やその協力会社の「心」を開いてもらうことなく、アジアで真に成功することはできません。さらに、ほぼすべての日本の大手ゼネコン、多くの設計事務所がシンガポールに海外オペレーション拠点を持っています。私たちにとっても、BIMの使用拡大をお手伝いするために堅固な足場を築くことは非常に重要なことです。

まず、1つ目のニュースは、グラフィソフトシンガポールオフィスがこれまでよりはるかに広く、よりよい立地に事務所を移転したことです。昨年非常によい結果を残し、より多くのお客様にご購入いただいたことから、適切なサポートを提供するために、スタッフを増員をすることが必要だったためです。実際移転してみると、今度はそろそろトレーニングルームの設置も必要な頃合いかな…と感じました。シンガポールにおいてのGRAPHISOFTの投資は継続していきます。

シンガポール新事務所

2つ目は、2月13日に開催された公式イベントで、シンガポール国立大学(NUS)との提携を締結したことです。まず、提携の1つとして、ArchiCADのアドオンであるArchiBQの開発、商業化において提携していきます。ArchiBQは自動的にシンガポールにおける基準に基づいた正確な数量計算、見積もりをBIMデータに基づいて作成します。ArchiBQはNUSで発明されたものですが、私たちとのコラボレーションによって、シンプルで基礎的なツールからシンガポールのお客様に提供できるツールへと進化します(現在はベータテストの段階ですが、まもなくリリースする予定です)。


提携の署名の様子

また、このイベントの中で、NUSは正式にBIM先進研究センターを設置したことをメディアに向けて発表しました。GRAPHISOFTは積極的に共同研究を行い、シンガポールにおけるBIMの生産性の向上と、BIMの採用を強化することを約束しました。

しかし、私たちにとってもっとも重要なことは、建築学科(DoA)と建設学科(DoB)との間で署名した2つの覚書です。これは、昨年よりNUSがBIM教育のバックボーンとしてArchiCADを採用したことを正式化するものです。昨年の秋以降、NUSの建築学科はカリキュラムを完全に変更し、現在学生たちは日常的にArchiCADを通じてBIMを学んでいます(以前は別のBIMアプリケーションが使用されていました)。この広範囲にわたる協力の一部として、GRAPHISOFT SGは大学に対して、ソフトウェア、カリキュラム、ノウハウの提供および、コンサルティングを提供し、ノウハウは学生にも提供されます。

この2つ目のニュースは、私たちにとって本当に画期的な出来事です。これまで私たちのソリューションを提案する際のお客様の懸念はArchiCADを操作できる卒業生を見つけることができないことでした。今年の5月にはArchiCADを使いこなす学生が社会に出る予定となっており、この懸念は完全に払拭されました。ある日本のお客様から「これからはArchiCADですね」という声も聞いたとのことです。

提携に署名し、発表する以外にも2月13日にはセミナーを共同開催し、buildingSMART Koreaの主席副社長Kim In-Han教授、日建設計の山梨様など、著名な講演者の方々が100名以上の業界関係者、大学教授、学生を前に講演されました。休憩時間には、Tekla社、Fujitsu West(CADEWA)社、IM Innovations(Cinema 4D)社、Solibri社によるOPEN BIMエキシビションを行いました(日本の製品発表会で行っているものと同様のものです)。OPEN BIMはシンガポールでも盛況です!

山梨さんはどこでも大人気です…
OEPN BIMセミナーにて。
私とCADEWAの皆さん。Teklaのポスターの前で
レクチャー終了後、賑やかなパネルディスカッションの様子
質問もたくさんでました!

この素晴らしい一日を過ごし、私はこれが私たちの東南アジアにおける新しい時代の始まりだと感じました…。