2012年8月7日火曜日

弘法にも筆の誤り

BIMの利用が拡大している今、BIMモデルの品質が非常に重要になってきています。モデルの品質保証は不可欠であり、些細な矛盾が後に深刻な問題につながる可能性があります。非常に慎重なプロセスであってもミス、問題、不整合は自然と発生します。重要なことは、後に深刻な問題になる前に早期に発見し、修正することです。

たとえば、柱をコピーして、間違って2回貼りつけてしまったとします。画面上では気づきませんが、コンクリートの量は当然二倍になります。同様のことが同時に複数の要素で発生した場合、深刻な不整合が発生する可能性があります。このような単純ミスに加え、設計ミスも多く存在し得ます。複雑な病院の設計で車椅子などのクリアランスを十分確保できているでしょうか。避難経路や防火壁が必要十分に含まれているように設計できたでしょうか。後に発覚し、コスト高な再発注をせざるを得なくなることや、最悪の場合、現場調整もあり得ます。 全体像で見れば、BIMを導入する主な目的の一つは、意匠、構造、設備との調整であるということもあります。これらの要素は異なるチームによって、また、異なるツールを用いて入力されており、第一段階で不整合や、干渉が発生するのは極めて自然なことです。これらを解決するために、設計者は統合されたBIMモデルを作成し、干渉を検出し、一つずつ解決しなくてはなりません。場合によっては、これを設計プロセスで複数回行わなくてはなりません。

2D図面の品質確認については、目視により確認する、ということが比較的容易に行われてきましたが、BIMモデルにおいて行うことははるかに困難な作業です。検索機能を使用することによって、このようなマニュアルの品質保証の有効性を改善することはできますが、これだけではまだ非効率的であり、ミスも発生しかねません。さらに、大規模な建物の場合、膨大な量の検証を、少なくとも部分的に自動化しなければ、ワークフローの重大なボトルネックを引き起こす可能性があります。欧米でBIMの干渉チェック、レポートツールの需要が高まっているのも不思議ではありません。最も広く使用されているツールはSolibri Model Checker™です。フィンランドのSolibri社による素晴らしい製品で、主要なBIMアプリケーションのIFCを読み込み、表示し、干渉チェック、整合性のチェック、空間分析、アクセシビリティ分析などを実行し、分かりやすいレポートを作成し、品質保証を可能にするツールです。特に興味深い機能は、これらのチェックをカスタマイズすることが可能であるため、社内標準に従ってモデルが作成されているかをチェックすることができます。


また、SolibriはIFCを使わず、ArchiCADのファイルを直接読み込むことができるということも、ArchiCADユーザーの間でSolibriが広く利用されている理由の一つです。 実際、海外の多くのパワーユーザー(AIDEA社やMota-Engil社等)がSolibriを社内プロセスに採用しています。現在までのところ、日本のお客様にとっては、日本語バージョンが存在しなかったことや、英語バージョンにおいても日本の代理店が存在しなかったことにより、現実的な選択肢ではありませんでした。しかし今回、Solibri社は日本語バージョンを作成します。さらに、先週私はSolibri社のCEOであるHeikki Kulusjarvi氏と販売契約を締結して参りました。これにより、グラフィソフトジャパンはSolibri Model Checker™を販売およびサポート致します。ArchiCADと同様に、真摯に情熱を持って、これを実施して参ります。さらに、ArchiCADユーザーに限らず、弊社が提唱しているOPEN BIMのコンセプトと同様に日本の建設業界の皆さんにSolibri Model Checker™を利用して頂きたい思います。

 8月28日東京、31日大阪で開催されるArchiCAD 16新製品発表会でSolibriをお披露目致します。

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