2011年3月17日木曜日

BIM の相関図 - Part 2

先日の投稿で、BIMの導入を成功させるために必要となる組織内の役割について紹介致しました。今回は、小規模の組織でそれらの役割をどのように兼任できるかを紹介したいと思います。
大規模組織

大規模な組織で、「建築BIM」としてのみ実施している場合、コラボレーティブBIMディレクターは必要ないかもしれません。しかし、それ以外の全ての役割は別々の人が担当する必要があります。特に、BIMディレクターの役割は非常に重要です。経営者の理解及び適切なサポートがない場合、ユーザーは目先の仕事の結果ばかりが求められていると感じ、元のやり方へと逆戻りする傾向があります。また、陥りやすい他の誤解は、BIMのコンセプトをユーザーに「売り込む」ことを怠ることです。最初に戦略と利点を説明するだけでは不十分です。モチベーションを維持させることも非常に重要です。この意図を伝えるためには、進捗レポートと「成功事例」のプレゼンを実施することは実務の技術的なトレーニングと同様に重要です。
中規模組織
中規模の企業(従業員数30100名)の場合、コラボレーティブBIMディレクターの役割自体が必要でも、別々の人担当する必要はないでしょう。BIMディレクター、あるいはインターナルBIMマネージャーのいずれかが、兼任することができます。チームモデルマネージャーについては、専任の担当者とするか、設計者(またはプロジェクト設計者)が兼任するかは、主にプロジェクトの規模によります。ただしこの規模では、個々のプロジェクトでインターナルBIMマネージャーにこの役割を依頼することはお勧めできません。本来の仕事ができなくなるからです。


小規模組織①
設計者1030名の企業では、経営者として、専任のインターナルBIMマネージャーの余裕はないと感じるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。私はこの投資は価値があると主張します(他の設計者の生産性を大幅に向上させるからです)。まずは、兼任のBIMマネージャーをお勧めします。2つのパターンが考えられます。1つ目は、1人の設計者が設計責務に加えてこの作業を兼任します。このパターンは、その担当者が兼任しているBIMマネージャーの仕事が徐々に本格的なBIMマネージャーの役割となることを嫌がらず、自分の設計者としての仕事を守るために責務をおろそかにして、BIM導入の障害とならない事が条件となります。もう一つのパターンは、BIMに熱心な管理者が、この役割を担当する場合です。そのような人材がいれば、成功率はかなり高くなるでしょう。







小規模組織②

建築家10名以下の企業では、役割はかなり統合されます。この場合、BIMに熱心で精通した人が1人いて、他の設計者に対して意見を通す事ができる人なら、十分成功できます。敢えて「BIMマネージャー」と呼ぶ必要はないでしょう。「Mr. BIM」として、全ての役割を1人でこなし、実例を持って他の設計者を先導します。しかし結局のところ、大規模な組織でも小さいチーム単位ではこのような事が起きているのではないでしょうか?企業の規模に関わらず、BIMのような業界を一新するようなプロセスには、先陣をきる指導者、きっかけを作る熟練者が必要です。使用する人が賢明であり熱心でなければ、テクノロジーはただの無数のコードでしかないのです。

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