2010年3月24日水曜日

CASBEEとBIM:美しい友情の始まり

個人的ですが、「90年代からの変化」をリストするなら、環境問題は重要な項目に入ります。 リサイクル、CO2排出削減のための公約、ハイブリッド技術の使用など、日本では気候変化が人類にもたらす課題を非常に真剣に受け止めています。他国でもこのような日本の態度を見習ってほしいところです。この日本での関心を裏付けるものとして新しい環境基準、CASBEEがあげられます。専門家によると、これは世界の中でも最も包括的な環境基準の一つだそうです。また同時に、建設業界、建築家、建設企業やコンサルタントにとって、この基準は無視できない課題となります。

とは言うものの、建築家にとって仕事量の増加を意味し、また正直に言って、建築家が好む仕事内容ではありません。建築を仕事と選んだ人は、何時間も何日も単純な計算に明け暮れることではなく、人々の要求への理解、空間のデザイン、建材の選択など、創造的な仕事を夢に見ていたはずです。しかし幸いにも、1930年代にフォン・ノイマン(ハンガリー出身)がコンピュータを発明し、それ以降、時間がかかる煩雑な仕事を、人間の代わりとして高性能な機械が行う事を期待しています。そして無論、CASBEEに対しても同じように期待しているでしょう。

具体的に言うと、課題は計算することではありません。計算することは、既に無償のエクセルシートが配布され、計算式も用意されています。実際には、計算の基準となるデータに課題があり、このデータには、床面積や断熱性など、実際の建物、そしてBIMモデルの属性が含まれています。他には、周辺環境からの騒音量、室内の居心地、また地域に対する建物の積極的な影響度など、建物形状に関係していない項目も含まれているので、別途入力する必要があります。弊社の最終的な目標は、建物モデルから生成できるデータは「全て」BIMモデルから自動的に計算できるようにすることです。したがってBIMソフトユーザーにとってさらに利益が増える、つまりBIM天秤の重りがまた増えることになります。残念ながら、公式規定は今年の6月または7月ごろになると思われますが、一部のBIMソフトが新しい基準を7月からすぐに対応できるのか興味深いところです。また、データがArchiCADBIMモデルに入力されていたとしても、ArchiCADファイルから必要なデータを抽出できるアドオンを準備するまでには時間がかかります。しかし、既存そして新規のArchiCADユーザー皆様にお約束したいのは、必要な事が把握でき次第、この機能の開発を最優先事項の一つとする事です。